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基底関数系 (化学) : ミニ英和和英辞書
基底関数系 (化学)[がく]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [き, もとい]
 【名詞】 1. basis 
基底 : [きてい]
 【名詞】 1. base 2. ground
: [そこ, てい]
 【名詞】 1. bottom 2. sole 
: [せき, ぜき]
 (suf) honorific added to names of makuuchi and juryo division sumo wrestlers
関数 : [かんすう]
 (n) function (e.g., math, programming, programing)
: [すう, かず]
  1. (n,n-suf) number 2. figure 
: [けい]
  1. (n,n-suf) (1) system 2. lineage 3. group 4. (2) type of person 5. (3) environment 6. (4) medical department (suf) 
: [か]
 (suf) action of making something
: [がく]
 【名詞】 1. learning 2. scholarship 3. erudition 4. knowledge 

基底関数系 (化学) : ウィキペディア日本語版
基底関数系 (化学)[がく]
理論化学および計算化学において、基底関数系(きていかんすうけい、)とは、(量子化学計算において一般的なように)線形結合により分子軌道を構成する元となる関数基底関数と呼ぶ)の集合をいう。便利さのために、基底関数は原子を中心とする原子軌道とすることが多いが、理論的にはどのような関数でも構わない。物質科学分野の計算においては平面波を基底とすることが多い。
== 概要 ==
近年の計算化学においては、 量子化学計算は有限個の基底関数を用いて行われることが多い。この場合、問題となる系の波動関数は基底関数系の線形結合で表わされるが、この線形結合の係数を要素とするベクトルにより表わすこともできる。すると、この有限基底上では、演算子行列(二階のテンソル)により表わされる。この記事では、「基底関数」と「原子軌道」をあまり区別せずに用いることがあるが、多くの場合、水素様原子の場合でも、解析的な関数形に近似や簡略化がなされているため、基底関数は原子軌道と厳密には一致しないことに注意が必要である。有限基底を無限基底に近付くまで拡張する計算を行なう場合、計算をbasis set limitに近づけるという。
分子計算を実行する場合、その分子を構成する原子の原子核を中心とする、有限数の原子軌道を用いて構成した基底を用いることが多い(LCAO法)。これらの原子軌道はスレーター軌道 (STO) により良く記述される。 STOは指数関数的に減衰するため原子間の長距離重なり積分をよく再現し、また中心で最大値を取り、原子核まわりの電荷とスピンを良く説明できる。STOは計算コスト的な問題のために、によりガウス軌道の線形結合でSTOを近似する手法が開発されると、あまり使われなくなった。ガウス軌道を基底に用いると、重なり積分やその他の分子積分の計算コストが飛躍的に小さくなる(John Pople の項も参照。)。
今日では、ガウス軌道 (GTO) を用いた100を越える基底系が存在する。そのうち最も小さなものは、最小基底系 (''minimal basis sets'') と呼ばれ、通常は各原子の全電子を表現できる最小の数の基底関数のみを用いる。最大のものは、原子ごとに数十もの基底関数を用いる。
最小基底系では、分子内の各原子について、遊離原子ハートリー・フォック計算による各軌道のみを用いる。しかし、リチウムなどの原子については、遊離原子に存在する1s、2s原子軌道に加えて、p型軌道も基底関数に加える。例えば、周期表第2周期元素 (Li - Ne) は5つの関数(2つのs関数と3つのp関数)を基底として持つことになる。
最小基底関数に追加される基底として最も一般的なのは、分極関数 (polarization functions) である。ポープルによる基底関数系では、分極関数を加えられた基底には名前の最後にアスタリスク
* が追加される。アスタリスクが
 * のように2つ付くものは、分極関数が軽い元素(水素とヘリウム)にも追加されていることを示す。分極関数は、1つ多くの節を持つ補助関数である。例えば、最小基底系では水素原子には1s原子軌道を近似した1つの基底関数のみが置かれる。分極関数を基底系に含める場合、これに加えてp軌道が加わる。この追加関数により基底系に柔軟性が加わり、水素原子核の周りで非対称な分子軌道を表現することが可能となる。このことは原子間の結合を正確に表現上で重要である。なぜなら、結合する原子の存在こそが、電子のエネルギー環境を球対称でなくするからである。さらに、価電子がp軌道の場合はd軌道が、d軌道にはf軌道が、以下同様に加えられる。また、(d, p) などのように、基底系にいくつの関数が加えられたかをそのまま追記する方式もある。
基底系に追加する関数として一般的なものとして、ディフューズ関数(広がった関数、diffuse functions)もあげられる。この関数が追加された基底系には、Pople系のものには+符号が後に、Dunning系のものには "aug"("augmented" の略)が前に追記される。+符号が2つ付く場合は、軽い元素(水素とヘリウム)にもディフューズ関数が追加されることを示す。この関数は非常に平たいガウス関数であり、原子軌道の原子から遠くはなれた尾部を正確に表現することができる。この追加基底関数はアニオンをはじめとする「柔らかい」分子系において重要となることがある。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「基底関数系 (化学)」の詳細全文を読む




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